苺家通信〜関西で活躍する女性たち〜

 

「 健 美 サ ロ ン 渡 部 」(トコちゃんの体の痛み相談室)代表
渡部信子(わたなべのぶこ)さん

このページは、様々な分野で活躍されている女性を紹介することによって女性の活動を応援する目的で運営されていたサイト「苺家通信」に2001年に掲載された記事を転載したものです。古い情報については注釈を入れて訂正しています。

 
プロフィール

「健美サロン渡部」代表。
「骨産道復古促進ケア研究会(現・母子整体研究会)」主宰。
1949年 石川県で生まれ、県立小松高校卒業。
京大医学部附属看護学校・助産婦学校卒業後、 京大病院で26年間勤務、産科分娩部・ 未熟児センター婦長を経て1998年3月退職、 4月より開業。趣味は歌うことと踊ることで、今はフラダンスに夢中。(2002年3月は多忙の為休止中)京都市在住。

office:
〒604‐0834
京都市中京区間之町御池上ル東 花柳ビル2階
Tel・Fax 075-257-5373 E-mail kenbi@pearl.ocn.ne.jp
URL http://www.kenbi.tv

 
きっかけ

 一人目の産後から腰痛持ちとなり、三人目の産後10年 程経った頃、ついに右足を引きずってしか歩けなくなりました。X線写真では異常なく、ハリ・理学療法・整骨などの 治療でも一向に良くなりません。ところが、カイロプラクティ ックでたった1回骨盤調整を受けただけで、両脚の長さが3pも違っていたのにぴったり揃い、長年の痛みが消えてし まったんです。

 その頃から入院中の妊産婦さんを観察するようになりました。痛そうに腰をさすって歩く妊産婦さん、産後骨盤が開いて動けない産婦さんのなんと多いこと!しかも、年々重症者が増加するありさまです。この分野は産婦人科医・助産婦・整形外科医の誰もが自分の診るべき分野と思っておらず、「医療の死角」に置かれているのです

また、一般のカイロプラクティックや整体では、妊婦の施術は断られる事が多く、妊婦さんは出産が終わるまで、痛みを我慢せざるを得ません。鍼灸も効果がない事が多く、整形外科も妊娠中はもちろん、産後になっても母乳への移行を理由に鎮痛剤を処方する事も少なく、湿布だけ、が現状です。

「よし、誰もしないこれを私の一生の仕事にしよう。助産婦 でなければこの仕事はできない。やりたい事をせずに人生を終えたくない」と決心しました。

カイロの勉強は週休や年休を使い、先生の所でマンツーマンで学び、実習中は筋肉痛でダウンするほど。でも、看護学生時代に、解剖学など人一倍勉強したのがこの時とても役立ちました。

実は、夫も18年前に交通事故でひどいムチウチとなり、 整形外科・理学療法でも良くならず、年々背骨の歪みがひどくなったのです。「夫になんとしても元気になって欲しい」 との気持ちが、カイロを勉強したもう一つの理由です。

開業するため退職しましたが、それ以外にも退職した大きな理由があります。大学病院という大きな組織の中で、助産婦という自分に満足できないものを感じていました。助産婦として一人の妊産婦さんに心ゆくまでケアができず、副婦長・婦長となるとなおさらで、自分が納得する仕事ができないのに、学生を指導しなければならないというジレン マに悩んでいました。今はこんなジレンマもなく、心身ともに生きている自分に満足です。

医療の専門家でありながら、ご自身も出産を機に患者の立場 に身を置くこととなった渡部さん。「誰もやっていないから私がやる」。女性であるからこそわかる痛み、夫へのいたわりが 彼女をつき動かしたのだった。

 
仕事

 妊婦さんや産後のママを主な対象としたカイロプラクティック を開設していますが、新生児からお年寄りまで男女問わず来られます。

 カイロプラクティックは、ギリシャ語のCheir(カイロ=手)と Prakticos(プラクティコス=技術・実践)の合成語で、骨盤や背骨の歪みを徒手によって矯正する治療法です。今から100 年あまり前、アメリカ人のD.D.パーマーによって体系化され 発表されました。骨盤や背骨のどの部分がどのように歪めば、どんな症状が現れ、どの方向に回転させれば歪みが矯正され るのかなど全てが科学的で、私はすっかりとりこになりました。

 他に、骨産道復古促進ケア研究会を主宰、助産婦・看護婦 などを対象に技術セミナーを開催しています。

 会員(患者)さんの中には、育児休業明けに体力的に仕事に戻れそうになく通っている人、腰痛などで既に退職した人、周囲から理解してもらえない痛みのため離婚した人などいろいろです。彼女たちの人生を思うともっと頑張らなくてはと思います。

開業後孤立無援の状態が続きましたが、4年目にしてようやく私の周りに輪ができてきました。今日も愛知県から、産後の恥骨や腰の痛みで立っていられず、鍼灸師として開店休業になった女性が仕事に限界を感じ、整体・カイロを学ぶために来られました。

 
現在の女性達を診ていて

モータリゼーションや日常生活の省エネ化など、妊娠出産に耐え得る身体が出来上がっていない人が多く、足腰の筋肉や腹筋、背筋力が弱くて妊娠子宮を支えられず、産後も赤ちゃんを抱けない人 が大勢います。このままでは妊娠出産を機に、腰痛のため育児や 日常生活に支障を来す女性がますます増えることは間違いありません。産後、楽になることもなく更年期を迎え、そのまま更に悪化し、 元気で楽しい一生を終えられなくなる人が続出するのでは・・・と、 危機感を抱いています。

渡部さんはこのことを本当に心配し、あらゆる場面で啓発して おられるようだ。また、今の子どもたちのからだのことも・・・。

 
家事と仕事の両立

息子は三人とも成人し、大学の学費も不要になりましたので、今は育児の苦労はありません。息子には小さい時から家事を教え込んでいたので、家族全員が何でもできます。私は多忙に かまけ、この頃ほとんど家事をしてなくて、三男が主に家事をしています。

 
今後の抱負

 2005年末までに、妊産婦が安心してかかれるカイロプラクターを50名育てるのが私の当面の目標です。ちょっと気負いすぎ?

以前はどこにでも産婆さんがいて、赤ちゃんを取り上げたように、15年後にはどこに住んでいても、妊娠中や産後は助産婦さんに骨盤や背骨の歪みを整えてもらえるようにしたいです。たとえ出産 は病院だったとしても、女性や赤ちゃんの健康を総合的にケアするのは助産婦であって欲しいし、それによって産後の女性や子どもたちの、健康増進に大きく寄与できると確信しています。

助産婦とは、ともすれば目立たない縁の下の力持ち的存在だが、 本当は、昔から人々の尊敬を集める、社会的使命を持った職業であるはず。彼女の言うように、助産婦さんがもっと表に出てくれ ば、女性が安心して子どもを生める社会にもなる。

 
関西に住む女性たちへ

病院を退職する時はまさに「清水の舞台から飛び降りる」覚悟でした。最初の2年間は経済的にも大変で、「病院の助産婦に戻らなあかんやろか」とか、「家を売ろうか」と辛い時もありました。でも、「石の上にも三年」とはよう言うたもんですね。今は経営も 安定し、したい事ができるようになって、充実感に満ちた毎日を送っています

 貴女もやりたい事があれば、目標に向かって努力を積み重ね、ある時は勇気を奮って羽ばたいて!どうせ一度しかない人生やもの、死ぬ時には「あー、楽しい人生やった!」と笑って死にたいと思いま せんか?貴女も。

「ホームドクターを持て」とよく言われるが、こんなサロンが身近に あればどんなに心強いだろう。また、彼女のような女性が多く出てきて、病める女性たちを救って欲しいと、切に思う。

健美サロン渡部 COPYRIGHT KENBISALON WATANABE 1998-2010